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足りないものを埋める恋ではなく

JUGEMテーマ:恋愛/結婚

私には、自分の恋愛が、ズバッと変わった瞬間というのがあって。
ちょうど年のころ32歳。
それまでは、今思えば、
足りないものを補うための恋愛だった気がします。
1人暮らしはさびしくて、仕事にも自信もなく、
毎日をただただ時間に追われるように生きていて。
そんな私にとって、片思いの末つきあった彼氏たちは、
まるで宝物みたいにキラキラした自信と、才能と、男らしさにあふれてた。
・・と、思ってた。
カッコイイ、素敵な、やさしい、彼氏。
仕事もできて、趣味もよくて、力持ち。
私の足りないものをみんな持ってる。
彼と付き合っていることで、
独り身のさびしさも、未来への不安も、仕事で認められない情けなさも、
何も持ってない、ちっぽけな自分そのものも、
帳消しになってる気がしてた。
でも、思う。
あの頃の恋愛は、
本当に、まともな恋愛ではなかったな、と。
私は、彼を理想化し、彼から嫌われないようにビクビクし、
彼から連絡が来ないと、不安で気が狂いそうになってた。
彼の一挙手一投足が気になって。
彼の周りの女の子に嫉妬して。
いつもいつも、泣きながら、
「私のことを好きなの?本当に?」と問い詰めた。
今思えば、
マイナスをゼロにするための恋愛は、
消耗していく恋愛でしかなかったのに。
私は、その頃、自分を心の底から好きではなかったんだと思う。
自分が嫌いだった。
自分に自信もなかった。
だからがむしゃらに仕事して、
彼氏にあげるべきものも何も気づかず。
彼氏にしてみれば、
誰と恋愛してるんだろうって気分だったろうな。(;´Д`)
虚しかっただろうな。
私は自分のことしか見えてなかった。
あれほど、彼を好きで、一日中彼のことを考えていたはずが、
たぶん、考えてたのは、
彼がどれくらい自分を好きなのか。
ということだけだったんだから。
それって、彼にことを考えているようでいて、
本当は自分のことしか考えてないんだよね。
(;´Д`)
それに気づかなかった私は本当に、駄目な彼女でした。
(ごめん、その頃の彼氏たち!)
で、何がきっかけになったかというと、
私の場合は、とても逆説的なんですが、
「もう30過ぎて長く1人でいるんだから、結婚は無理かもしれない」と
思った瞬間なんです。(爆)
誰かと生きていくことが想像できない、
だから私は1人でいるのかもしれない。
それなら、ちゃんと自分ひとりで生きていける土台を作らなきゃ。
誰かに頼って、救い出してもらう夢を捨てなくちゃ。
誰かに埋めてもらう期待なんか、もうしてちゃ駄目だ。
そう、思って。
いろんなことを自分でやろうと決めて。
引っ越したり、趣味を増やしたり、
仕事も、自分らしく何がしたいのかをもう一度考えたり。
そして、ようやく、
自分が、自分ひとりでも満たされている、
そう感じることができたとき、
それまでずっと誰に対しても思わなかった、
「誰かの希望である存在になりたい」
と思ったんですよね。
不思議な感覚でした。
内側から、あふれてくるみたいに、
周りの人たち、会う人会う人、古い友達、
みんなに対して、愛情があふれてきて。
誰かの頼りになる、
誰かの支えになる、
誰かの幸せである存在になりたい。
そう思ったとき、
生まれて初めて、
素敵な、自分にはないものをいっぱい持った、憧れの王子様ではなくて、
側にいる、平凡で欠点だらけだけど、いっしょにいて楽しい、
そういう男性を好きになったんです。
恋をしてからも、いつになく落ち着いてました。
この人が駄目でも、まだ他に、いくらでも、好きかもと思える人が出てくる予感がしたから。そこにこだわる気もしなかった。
実際、3人くらいその頃言い寄ってくる人がいたし。
(つうかその彼氏とはほんとに別れちゃったし。)(;´Д`)
それ以来です。
私が、自分の中で、今までの自分の恋愛を反省し始めたのは。
そして、それを生かして、新しい恋に全力を注ぐようになったのは。
今では、昔の自分の過ちが、手に取るようにわかる。
どう考えてたから失敗したのかも。
私は、自分の欠けた部分を、あこがれの誰かで、埋めようとしてただけ。
自分の身代わりになってもらいたかっただけ。
自分ができないものをかなえて欲しかっただけ。
今は、思います。
相手の男だって、みんな、そんな理想を押し付けられて迷惑だったろうな、と。
「こいつ、俺じゃなくてもいいんだろな」と思われてたんじゃないかなって。
だって、そうだもんね。
彼氏、素敵な、自慢の彼氏が欲しかった。
自分の夢にぴったりな彼氏が欲しかった。
彼氏も、1人の人間で、
くじけたときは頼りたい、弱いナサケナイ存在だってことを、
・・・見たくなかった。見ないようにしてた。
恋をするなら、
自分が欠けてると思ってる間は駄目です。
ひとりじゃさびしくて・・と思ってるときには、
逆に、絶対恋をしてはいけないんです!
それはすがる恋愛にしかならない。
自分だけを見ている、
相手の見えない恋愛にしかならない。
ひとりでも満たされていて、
誰かに愛情を分け与えたくてウズウズするような、
自分が大好きなときにこそ、
本当の意味で、恋愛はできる。
誰とでも、すんなりと。
恋愛力さえつけば、誰とでも恋をすることができるんだよね。
最終的には違うかなってときでも。
恋愛まではいける。
その恋愛力は、
自分がマイナスのときは発揮されない。
まずは、自分の内側を満たすこと。
1人で、立つこと。
自分の足で、
つらくても、さびしくても、
自分の力で、乗り越えること。
そして、嫌いな自分を、好きな自分に変えていく。
たとえば、私は、その頃歯科矯正とかしました。200万もかけて。
(なんと笑えることに結婚資金!だったんだよね!ははは)
それで、ずーっと嫌いだった自分の笑顔が好きになった。
それと、ダイエットに成功して、5キロくらい痩せた。
それだけで、みるみる自分に自信がついた。
努力すればするだけ、きれいになれる、
周りの人にも、「最近いいね」って言われる。
それがうれしくて。たのしくて。
どんどん自分が好きになりました。
まずそこから、なんですよ。
嫌いな自分をそのままにしちゃ駄目。
たまにどーんて落ち込むことはあるけどさ。
私も今でもちょくちょくあるけどさ。(;´Д`)
でも、無理やりにでも、自分を好きになってあげる、その理由を作らなきゃ。
嫌いな原因を探して消さなきゃ。
恋愛がうまくいかないって悩んでたり、うじうじ泣いている人いたとしたら、
その考えてる時間、落ち込んでる時間を、
もっと自分のために使おうよ!って言いたい。
ぜったいに、自分への投資は無駄にならないから。一生ものだから。
そのときにしか接点のない、
しょせん人生のゆきずりな男のことでいつまでも悩んでないで。
もっと一生モノの自分の人生に恋をしなくちゃ。
自分が愛であふれていると、
彼氏になにかしてあげることが楽しくてしょうがない。
そのアイディアを考えているだけで楽しい。
たとえば、それは、
彼をほっとく、ことだったりもする。
自分が足りないと、落ち着かなくて、
彼から離れることができないけど、
自分が自家発電で満たされていれば、
一人でいても大丈夫だから、
たまに彼を1人にしておいて あ げ ることもできる。
それも愛情、そう考えることができる。
その差が、男の人には大きいんじゃないかな。
いつもいっしょにいたい、
彼の世話をあれこれ焼いてあげたい、そう思うのもいいけど、
それが本当に彼の望んでることなのか、
自分がしたいだけのことなんじゃないか、
そう気づくだけの余裕が必要。
本当は、時として、彼を突き放すことも大事。
彼に意見をすることも、たしなめることも大事。
そして、気づかれないところで、そっとフォローすることも大事。
自分が楽しく生きていること、何をするにも笑顔で、いっぱい楽しんでることこそが、
あれこれ彼にかまうことよりも、
彼のためになってることだってある。
たとえば、彼の好きなものをいっしょに好きになって、
自分は自分でどんどんたのしんじゃってる、とかそういう状況だと、
彼氏はうれしいよね。
いっしょにいて楽しいなっておもうよね。
彼の仕事内容に興味を持って、いろいろ調べて、さりげなく会話に付き合ってくれる。
へたなアドバイスなんかはしないで、
ただ的を得た返答だけを返す。
そして忙しそうなときは、あらかじめ見計らってそっとしておく。
そういう彼女なら、安心して仕事にも打ち込めるよね。
いっしょにいる時間を、たのしくする。
いっしょにいることを意味のあることに変えていく。
いっしょにいると、彼が自信を持つことができる。
そういう心遣いを、
彼氏にはつねにしたいものだと思うのです。
今は切なくて泣いたりしないし、
一日中彼を思ったりもしないし、
彼を絶対的な素晴らしい存在だとも思っていない。
でも、生活していて、ふと、彼のことを思い出し、
「これ教えてあげたら彼よろこぶかなー」と考えるだけで、ぽっと心があったかくなる。
そういう瞬間に、
私は本当に彼のことが好きなのだ、と自分で自分に呆れてしまう。
マイナスを埋める恋よりも、
どんどん増えていく恋がいい。
いざとなったら1人に戻っても、ちゃんと幸せでいられる、
その自信が、
誰かを幸せにしたいと、泉のようにあふれる思いのもとなのだなと、
つくづく思うのです。