サイトアイコン 恋はいばら道

想いはどんな形にも変わる

恋愛とは不思議なものですね。
ときには、不可能などなにもないと思えるほど、満たされた
万能感を持ったり、
ときには、1分1秒に身を切り刻まれるような苦しみを味わったり。
同じ人を愛しているのに、
暖かい想いに浸れたかと思うと、
泣きながら胸を叩きたくなるほどの衝動に駆られる。
その想いはすべてその人を好きであるが故。
どっちも本当なんだよな~…
ただいつも思うのですが、
どんな想いの形に変えるかは、
彼ではなく、
自分が握っているのだよ、本当は。
われわれは、どうしても、
すべては相手から発していると思う。
「もっと会ってくれれば二人はうまくいくはずなのに」とか、
「もっとやさしい言葉をかけてくれれば私は素直になれるのに」とか、
相手に要求することしか見えなくなって。
こっちがそう出れば、向こうも同じように、
「お前がもっと素直でやさしければ俺だって・・」
「お前が会いたくなるような女ならとっくに会いに行ってる」と・・
売り言葉に書い言葉。
どっちがニワトリでタマゴかなんか関係なくて、
その流れを良くするも悪くするも、
こちらの胸次第だということだと思うの。
相談を聞いててたまにおもう。
「その人は、あなたの好きなひとではないの?」「まるで憎んでいるようだね」
不安に思って疑って、
「彼はこんな風に冷たい人間では?」
「こんな風に自分のことしか考えてないのでは」
「私は彼に騙されているのでは?」
と、まるで犯罪者でも見定める勢いで、
彼を見る、その目が、
彼を値踏みすればするほどに、
それをされている彼の心はそれを敏感に察し、
逆に疑いの目を向けるのです。
男性のほうが、むしろ女性に疑心暗鬼なのではないか、と
最近は思います。
「結婚結婚、と、本当は自分を好きではなくて、安定したから結婚しただけでは?」
「こんなに俺がつかれているのに、それを見ても、会えないことをなじるなんて、
俺のことを本当に好きでいるのか?」
そんな風にね。
実際、女の身勝手さにうんざりする、という男性の意見もあります。
かわいいそぶりで、
男性に甘えてみても、
男性が喜ぶのは付き合っている最初だけ。
すぐに、自分勝手な行為は相手をうんざりさせてしまう。
本当に、彼そのものを好きなのか?
自分の思い通りになってくれる男が好きなのか?
どっち?
彼そのものが好きだと言いながら、
「そんな風に忙しいときに私をほっておく男なんて信じられない」と泣くなら、
彼そのものを好きではないんではないかな???
恋に苦しんで、彼を恨めしく思っているひとは、
みんな一度考えたほうがいいと思うのね。
その人は、本当に好きな人?
それとも恨みに思っている人?
もちろん、好きだからこそ、恨めしい、
好きだからこそ、どうにもならない衝動に駆られるんだよね。
相手を傷つけてでも、
自分の苦しみを吐き出したい。
どうにも止まらない、
狂ったような、理性も止められない想い、がある。
そのまるで濁流のような想いを、
自らの手で止めるのは至難の業だと思う。
それでも、
難しくても、
どうか止めてほしいとおもってしまう。
何度もその濁流を、相手にぶつけて、傷つけて、
だれよりも大切な人を、この手から失って、
何度も何度も後悔してきた私から。
難しいと分かってるけど、
まだ間に合う人は、
止めてください。
もしも、どうにも叫びだしそうなら、
苦しいなら、
まずは女友達、しかも信頼のおける友達に、電話して。
私自身もそうしてます。
どうにもならない、止まらない、
でも本人にぶつけちゃだめだということだけは分かってる、
真っ黒な感情は、
噴き出す前に、友達に相談することで、冷静になります。
友だち、と思うから、
ワンフィルター入るでしょ。
まんま彼にぶつけるよりは、冷静に、客観的に、
説明しなきゃだめでしょ。
そうやって、誰かに説明するために話しているうちに、
何が原因で、何がおかしいかも分かってくるの。
どうすればいいのかも。
もちろん、ときには、
かっこつけてないで相手と話し合ったほうがいいこともある。
でも、自分が一方的に不安になって、
どうにも止まらない憎しみ、恨みに、頭が真っ赤になるほどだったらば。
相手に伝わるのは、きっと人を傷つけるだけのネガティブな感情だから。
一度止めて。
どこか別のところに吐き出して。
吐き出したものを自分でじっと見てほしいのです。
いまは、みんな我慢が効かない時代だと思います。
連絡が欲しければ、携帯で、メールで、
すぐに返事が欲しい。
すぐに何とかしてほしい。
すぐに解決して。
でないと眠れないでしょ!
そんなスピード感。
でも、人間は、本来、
そんなスピードでものを考えるようにはできてない。
我々はコンピューターではない。
ゆっくり一晩考えて、
それからようやく自分の考えがまとまり始めることだってある。
あるとき私のボーイフレンドが、
「時間をかけて、じっと考えて、ようやく君の言ったことを理解できるから。
いま急にいろいろ言われても混乱する」って言ったのね。
私はとても感情的になってて、
あれやこれやとまるで雨あられのようにいろんなことを彼に投げかけたけど、
彼は途中から黙ってしまったの。
それは、卑怯だから黙ってるんではなくて。
ただ、一生懸命、私の言葉を咀嚼して、
どんな気持ちでいるのかを、彼なりに想像して、
腹に落ちるまで考えたかったからだったの。
なのに、私は、その沈黙さえもネガにとって、
彼をののしってしまった。
だから男性はうんざりするんだね。
女性はすぐさまその場で、納得のいく言葉が欲しい。
それを言うのは簡単だろう、
私をなだめる言葉は簡単だろう、と思ってる。
嘘でもいいから、愛してると言って安心させて!ってなもんだ。
でも、男性は、
真に誠実な男性は、
自分の心を読みながら、
へたに安っぽく「愛してる」と言って相手を落ち着かせようと思えなくなってしまう。
あれこれ考えて、
正しいことを言おうとしてしまう。
だから、
二人の間に差が生まれ、
そこから憎しみや不安が生まれてくるんだと思う。
私は、黙ってしまう男性の誠実さについて感心する。
不用意なことを言わない、
安易な言葉で相手を言いくるめようとせずに、
一生懸命自分の言葉で答えを探そうとしている、
自分と向き合う姿を、素晴らしいと思う。
なのに、
自分のこととなると、
そんなことも見えなくて、
つい相手を責めてしまう。
感情の収拾がつかなくなる。
不思議だね。
でもせめて、ひとつだけ忘れないでおきたいことがある。
どんなに、不安につぶされて、相手を恨みたくなっても、
相手を憎みたくなっても、
背を向けると決めたのでないかぎり、
彼は私の好きな人である、と。
その苦しみも、怒りも、
彼を愛しているからなのだと。
そのすべての想いは、
本当は、愛情と言う名の感情に、
置き換えられるべきもの。
怒りを、深い愛情に変えることができるのは、
自分しかいないんだって。
イライラするのも、
苦しいのも、
せつなく、
泣きそうになるのも、
彼を愛しているからでしょ。
だったら、
同じ感情を、
同じだけのエネルギーを、
彼を許し、
彼を受け入れ、
彼を愛することに、
使えないものだろうか。
それは、
どうにも難しい命題なのだろうか。
実は私も、それが難しいことは知っています。
分かっていて、
それでも、
自分がいつか、
今度こそ、
大好きな彼に怒り悲しみ、
胸が潰れそうになったそのときに、
その想いのすべてを、
彼を許し、受け入れ、
愛することに変えられることを、
祈ってやまないのです。
なぜなら、
私たちは、
いがみ合うためではなく、
許し、愛するために、
出会っているのだから。