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思いきれない想いとはなにか 

久しぶりに、失恋について書きます。
よくメッセージやコメントなどで送られてくる内容に、
「彼のことがどうしても忘れられない。彼でなくてはダメ。あきらめきれない」というのがあって。
あぁ、私もそうだったなー。
もう一ミリも希望なんてない状況で、
なのにそこにしがみついて、
何か光明があるんじゃないかと目を皿のようにして。
そこから梃子でも動かない!って頑固になってたこと、あったなぁと。
40近くになってからは、さすがにその辺学習したので、
「これはどうにも光明なんてないし、彼は私をもう少しも必要としてないんだな」という
明白な事実を自分につきつけて、
そこから無駄な血を流さないように気をつけるようになりましたが。
それでも、心は、理性を裏切るものです。
どんなに頭で分かってたって、
1人でさびしい時、ふと心に浮かぶ人、思いをはせる人、恋しい人は、
遠の昔に別れたその人でなしだったりするんですよね。しみじみ。
でも、ひとつ自信を持ってお伝えできるのは、
その「心に浮かぶ男」は、
いつまでもその人とは限らないよ!(爆)
「もう一生この人しか愛せない」と泣き暮らした男が登場人物だったのは、もう昔のこと。
そのあと、何度か、別の男がとってかわった。
だんだん、うすうす気づくようになった。
「私は、手に入れられなかったから、その男を追い求めてるだけだ」と。
何度も書いてますが、
成就しないから、心に残る。
深く傷ついたから、消せなくなる。
手に入らないから、欲しくなる。
一度は、手に入れたと思ったその時に、思い描いた未来予想図を、
自分自身で破棄することができないから、
いつまでも同じ未来を夢見続ける。
そして、その行為のすべてが、
自分をもっともっと傷つけ、みじめにし、どん底まで突き落とす。
なぜ私は愛されないのだろう。
なぜ私はただ一人の人を失ったのだろう。
どこで私は間違ったのだろう。
何をどうすれば、
彼をもう一度手に入れられるのだろう?
この発想のすべてが、
幸福な恋から、あなたを遠ざける。
それは、執着だから。
恨みだから。
呪いだから。
焦燥だから。
一度冷静に考えてみてほしい。
うまくいかなかった恋とは、
うまくいかない恋のこと。
これから先も、どんなにごまかし続けても、
うまくいかない恋とは、うまくいかないものなのだ。
何かの間違いで、2人は一瞬恋に落ちたけど、
どこかで道はすれ違い、
それは一生の思いではなかったと、どちらかが確信し、
そして手を離したのだから、
どんなに最初が情熱的だったとしても、
どんなにそれがロマンチックな恋だったとしても、
終わった恋は終わった恋。
そして、終わるべくして終わる、
最初から時の限られた恋だったのだ。
というか、結婚して一生を誓う以外のすべての恋には、終わりがある。
それは悲しいけれど本当のこと。
(もちろん結婚にも終わりがある場合もある)
どんな終わり方をしようと、終わる恋は終わるし、
ただひとつの「生涯ともにする人」との恋以外は、
すべて、どこかで終止符が打たれるのは仕方のないこと。
そして、その終止符は、
自分で打たなくても相手が打つ。
状況が打つ。
タイミングが打つ。
2人のかみ合わせが、打つ。
そればかりは、自分がどうしたいとか関係なく、
それはそれは冷酷に、
ある日突然、時計の鐘は打ち鳴らされ、
そこですべては終わりと告げられるのだ。
もう、どうしようもないのだ。
打つ手なんかないし、
誰が悪かったわけでもない。
どちらも悪くない。
ただただ、そういう巡り合わせだったのだとしか言いようがない。
だけど、少なくとも、
相手が決めた別れなら、
それは断ち切る以外に方法はないと思う。
だって、彼はもう自分を愛していないし、
大事にも思っていない。
宝物のように守ってくれるわけでもない。
そして何より、
彼は、私を幸福にすることに、何のモチベーションも持っていない。
私がしばらく思い続けた元彼と、
久しぶりに会った時のこと。
彼との関係は変わってないように思えたのに、
何か強烈な違和感を感じてハッと気付いた。
「彼は、私を守りたい、とはもう思ってないんだ」
その事実。
付き合ってた頃、彼が私を好きでいたころには、
彼はつねに、私が幸福であるために、
私を守ってくれていた。
私を幸福にしたいと考えていた。
だからこその心配りや、思いやりが、私はうれしかった。
でも一度心が離れてしまって、
もう別々の他人になってしまうと。
彼にとって私はただの友人で、
話している分には変わらないのに、
決定的に違うのは、
私を幸福にしようと努力することだけはしないということ。
男が、好きな女といて幸福なのは、
自分の手で、この女を幸せにしたい、と願う瞬間だ。
幸福にしたいほど、大事な存在がいる、ということだ。
大好きな男を幸せにしたいというなら。
彼が心の底から愛して、守りたいと思い、大切にする存在であるしかない。
それ以外は、その男を真実幸せにすることにはならない。
どんなに尽くしても、
どんなに機嫌をとっても、
どんなに想いを伝えても、
その男が自発的に、愛情を湧きださせ、
行動したくならない限り、
その男を幸せにはできない。
だから、あきらめるほかないんだ。
私には、彼を、心の底から幸せにはできないんだと理解するしかない。
彼が求める人は、
人生の伴侶は、私ではなかった。
そう何度も自分に言い聞かせるしかない。
「私には彼しかいない」?
では、彼にはどうだろう?
彼には、私しかいないんだろうか?
私だけはちがう、と思ったから
別れたんじゃないのか・・・?
ひどい言い方だけど、それが真実だ。
だけど、大事なことは、
どんな人だって、
選べるパートナーは一生に1人、ということで。
別に、彼だけが100人の女に愛されて生きて行き、
自分は一人ぼっち、というわけではなく。
誰だって、
最後はたった一人の人を選ぶほかないということだ。
(もちろん二股三股かけたり、不倫するような人は論外だとして)
彼だって、探しているんだ。
たった一人、自分が心から大切にしたい、
すべてをささげて悔いはない女を。
私たちが、どこかのだれかに、
探されているように。
どうして彼しかいない、と思うのか。
それは、そんな風に愛してくれた人は彼だけだったから、かもしれないし、
そんな風にうまくやって行ける人は、彼だけだったから、かもしれない。
彼ほどの条件を備えた人は、いなかったから、かもしれない。
でもそのすべては、過去と照らしてだ、と言う事実に目を向けよう。
今までは出会わなかったから、彼だけなんだろうか?
同じ、いやそれ以上の条件の人がもう現れないというのは思い込みだ。
うまくやって行ける人は彼が初めてなら、
次のうまくやって行ける男こそホンモノかもしれない。
彼がそんなに愛してくれたというなら、
今度は、永遠に愛してくれる人を探せばいい。
どうして彼に執着するのか?
私も一時期自分と対話して考えた。
なぜ彼だけをそんなに想うのか。
私の答えはこうでした。
彼ほどロマンチックに私を愛してくれた人はいない。
彼ほど強く想ってくれた人はいない。
彼ほど男らしく、頼れて、しかも社会的にも尊敬できる人はいない。
しかも2人は強く惹かれあっていた!最後の別れの瞬間まで。
そうやって理由を上げたから、
ではそこに匹敵する、凌駕する人が出てくればいいんだ、と思えた。
そして、そういう人が出てくるまでは、
彼を想って悲しみに襲われることも、仕方ないんだと思った。
何度も思い出しては過去の自分を責めた。
だけど、何度繰り返し思っても、
やっぱり自分は同じ過ちを繰り返すのだろうとも思った。
それは、
やっぱり、彼が、私のただ一人の人ではなかったから。
私が、言ってはいけない言葉を飲み込んだとしても、
彼を追い詰めなかったとしても、
終わるべき時に、きっと終わってた。
ロマンチックな恋だったからこそ、
そのまま記憶は封印され、
美しいまま保存される運命だったんじゃないかと。
そして、今、一生を共にしたい人に出会って
つくずく思うのは、
まったくあの恋とは次元が違う、ということだ。
永続する、守って行く、積み重ねていく想い。
家族になりたいという想い。
一生を、手を取り合って、信じあって生きていくという覚悟。
そのために、彼が私を、
心から愛していてくれること。
そのゆるぎなさ、お互いの確信。
それは、いっとき心を騒がせた恋とは、
似ても似つかないものだった。
あの時、無理に関係をつなぐことがたとえできたとしても、
きっと、それを一生のものにはできなかったと思う。
それは、その彼だけのことじゃない。
過去にうまくいかなかった「忘れられない人」のすべてが、
たぶんどこかで違和感があったんだと思う。今となって思えば。
結婚した時に、
過去好きだった、苦しい想いをした人も、
祝福してくれた。
そしてその時、私の過去の想いも報われた気がした。
私は、過去の苦しみをちゃんと乗り越えて、
いま幸せになりましたよ、と。
あなたを幸福にする人は別の人だったように、
私を幸福にしてくれる人は、あなたじゃなかった。
それに気づけたよ、と。
そして、あなたがうらやむくらいに、
私は夫を愛します、と。
夫を幸福にします、と。
それをこれから証明できるのは私しかいない。
もう過去の想いに泣くことなく、
切なく想うこともなく、
苦しむこともない。
だけど、1人でいた間は、ずっと思い出してました。
あきらめきれずに胸が痛んでいました。
ずっと、恋しかった。
苦しかった。
いま思いきれずに苦しんでいる皆さん。
その想いは、永遠じゃない。
そして、自分さえ幸せになりたい気持ちがあるなら、
そこから歩き出す勇気も持てるはず。
その想いが、
いつか私のように、
美しく悲しい恋の記憶として、
キレイに畳んで心の中にしまっておけるようになるから。
今でも、
好きだった人の一人ひとりに感謝している。
思い出しては懐かしく思う。
あんなにも愛することはできなかった。
あの時は。あの瞬間は。
だけど、時は流れて、
いつか気がつく時が来る。
あなたは私の「たった一人」じゃなかったし、
あなたを幸せにできるのは、私ではなかったんだと。