恋愛してると、本当に、明けても暮れても、彼のこと考えてますよね。
ほんのちょっとのメールの言い回しや、返事を
反芻して吟味して、そこにどんな意図があるのか。ないのか?
そんなことばっか考えてる。
本当、夢中、です。
他には何も見えません。
まさに彼ひといろ。
でもさ。
私もそうでしたが、
あれほど彼を想ってるはずが。
つうか、実際四六時中彼のことを考えてたにも関わらず。
肝心の、実態の、彼のことをぜんぜん分かってなかった。と思います。
今なんか、全然彼のことは忘れてる時間のほうが長いけど、
それでも、昔の彼氏たちのことよりは、ずーっと今の彼のことを知ってるし、
よく分かってるつもりです。
つまり、
考える時間が長けりゃいいってもんでもないんだよね。
ようは、考える方向?が大事。
恋は盲目状態だとついついやりがちなのは、
彼と自分だけで世界を完結させる考え方。
すなわち、この世には、彼と自分しかいないように、
物事を見ていたりする。
自覚はないでしょうが、そうなんです。
たとえば、
彼は昨日忙しいって言ってたけど、
そろそろ終電だし、もう帰り道だわ。
だってタクシー使うほどお金ないもの。
家まで20分歩くんだから、その間に私に電話をかけてくれることもできるはず。
メールもさっき、そこに狙って打ったんだし。
駅に降りて、メールに気づけば、
そこが電話のかけどきよね!!よし待ってよう。
・・・・で、待ってるけど、来ない。
な、なんでよ?
今帰り道でしょう?
今日は飲み会もないって言ってたよね?
せめて歩いて帰る間くらい、私に電話できるんじゃないの?
愛があればできるはずでしょ?
さて、こんな発想をするのが我々女の子ですが。
ここで、よ~く考えると、
この予測には、登場人物が、彼と彼女しかいません。
忙しい、という基本情報は入っているものの、
それは、「終電まで仕事して帰る」という情報にしかなっていません。
つまり、自分に都合のいい部分の情報しか入ってないってこと。
でも実際は、
終電で切り上げなくちゃいけなかったものの、
まだまだ作業が残っていて、
家に持ち帰ってる最中の可能性もある。
その続きを、夕飯がてら、ファミレスに寄って、
食事しながら片付けてるかもしれない。
もしくは、仕事が終わったところで、部長から、
「今後の作業方針の確認するからメシに行くぞ」と誘われてるかもしれない。
もしくはもしくは、
あまりに疲れていて、肩が凝って死にそうだから、
深夜までやってるマッサージ屋に寄っているかも知れない。
家に帰って気分転換するためのビデオを借りに、
ビデオ屋に寄ってるかもしれない。
コンビニに行ってるかも知れない。
親から電話があって、しゃべってるかもしれない。
彼の生活には、
こちらには分からない、
無数の登場人物がいて、
いろんな時間軸で彼の時間を構成しているんです。
彼の時間は、彼女のためだけのものじゃない。
いくら終電で帰って20分かけて家に向かって歩いている時間が存在するからといって、そこでメールに気づいて電話をかけてくるかどうかは、分からない。
その保証はできません。
なのに、彼を自分との関係軸でしか見てない人は、
「どうしてこのタイミングしかないのに、連絡できないんだろう?」
「この時間だったら彼もいいと思って、こんなに気を使ってるのに!」と
不満と不安を溜め込んでしまう。
不満も不安も、最後に行き着くところはいっしょ。
「彼は私を愛してないのかもしれない」
この女性特有の、
「彼は私を愛してないかもしれない」妄想は、
誰がなんと言おうが、心の底から消えることはありません。
いつでも簡単にくすぶり、燃え上がっちゃう置き火なのです。
(;´Д`)
でもね。
不安は、出所をよく確かめれば、
大体が、自分です。
自分のせいです。
勝手に期待して、
勝手に先回りした気になって、
こうなるだろう、こうしてくれるだろう、こう返事が来るだろう、
そんな風に、想像しているから、裏切られてつらい。
苦しい。
勝手な設問の罠を張っているようなもの。
「もしここで彼が電話をくれなければ、それは彼の愛情が足りないってこと」
みたいに、勝手に、彼の気持ちを判断するための設問というか罠を張ってません?
そして、それが裏切られるから苦しいんでしょ?
「あぁやっぱり彼は私を愛してないんだわ」って思うんでしょ。
でも、よく考えると、
そのそもそもの設問をつくったのはこっちです。
彼ではありませんし、
全国共通試験でもなんでもありません。
不安になる人というのは、
実は、
不安になるべくして、
不安になってるんです。
自分でそんな設問や条件を作ってさえいなければ、
そもそも彼がそこに引っかかることがないからです。
で、話を戻すと、
彼のことをよく考えてるつもりで、
まったく考えてないよね、と思うのは。
私も昔、そうでした。
大好きな彼がいて、
いろんな話をしてくれて、
いつも夜中まで朝まで話しても話足りなくて。
そんな彼に夢中でした。
彼のしぐさ、彼の言葉の端々まで記憶して、
そこに私への愛情があるのかを吟味して。
うれしかった言葉は、何度も何度も反芻して。
でも、
私は、彼が話していた、
大事な彼の将来の夢だとか、
好きなものとか、
そういう話題を全部、流してしまっていた。
恋愛に関係ないもの、と勝手に思って、
単なる情報として処理してしまった。
要は、真面目に捉えなかった。
本当は、彼が私と共有したかったのは、
私だからこそわかってくれる、と期待してたのは、そこだったのに。
見ているようで、見ていない。
彼のことを考えているようで、考えてなかった。
彼と私のことは死ぬほど考えたのに、
彼と彼の仕事、とか、彼と彼の職場、とか、
そういうものに想像力が働かなかった。
だから、
彼が何より大事にしていた仕事の場で、
私はよりによって恋愛感情で対応してしまい、
彼の信用を失った。
彼をガッカリさせてしまった。
彼のことをもっとちゃんと、理解していれば、
そんなことは絶対にできなかったはずなのに。
そのときは、
その場には、彼と私しかいない、くらいに思えていたのです。
なんと幼い恋でした(;´Д`)
今になって思うのは、
人間をまるごとすべて理解することでしか、
相手には近づけない。
もちろん別の人間ですし、
今でも分からない部分はいっぱいあって、
むしろ、分からないから、そこを尊重しよう、と思う。
でも、
今は、少なくとも、知っている。
彼には、私以外の関係軸があり、
恋愛以外の大事なことがあり、
時には忘れられない昔の恋もあり、
そして、根本的に、すべてを知ることは不可能なのだ、と。
知りえないことを知る、ということでしょうか。
どこまで行っても、
彼は私だけのものにはならない。
2人は、無数の関係性の糸の中にあり、
その1本も切ることはできない。
そして、切らせるようなことを、してはならないんだと。
たとえば、昔の知り合いで、
あまりに仕事が忙しく、海外出張も多くて、帰りが遅く、
しかも付き合いで、否応なしに当日飲みに行くような職種の人が。
新婚の奥さんがノイローゼっぽくなってしまったために、
仕事を変えたのね。
とても優秀な人だったけど、
仕事の種類を変えないと、もう対処できないんです、と苦笑してた。
そりゃそうだろうけど。
でも。
私は、彼に、仕事を変えさせてまで、
生きがいを奪ってまで、
自分を通したいとは思えない。
もちろん、そこへいたる過程は、しょせん外野の人間にはわからないにしても、です。
悔しかっただろうなぁ。
それまでのキャリアも、人間関係も、積み上げて来たものすべてを、
一切失ってしまうのは。
そんなことを、させずに済むのが一番じゃないのかなぁ。
そう思う。
私がいつも思うのは、
彼が、私と付き合うことで、
私が彼と付き合うことで、
今までの生活よりもプラスが増えること。
もちろん、時間的制約もあるし、
いろいろ我慢する面も増えましたが、
それでも、それに余りある、もっとすばらしいもの、時間、関係がある。
相手のために、何かを犠牲にするよりは、
相手がいることで得られるものを数えていきたい。
彼が、仕事でどうしても会わなければならない人がいるなら、
別にそっちを優先させてくれてかまわないし、
私のほうは、会わなきゃ死んじゃうわけでもない。
今週か来週か、今月中にか、
すぐに会わなきゃいけない理由なんかないし。
そこに何の制限もないはず。
今週会わないならもう死ぬってくらいの人がいるけど、
何でよ?と思う。
冷静になって考えると、
なんで週一とか月一で会わなければならないって、
決まってるんだろうか?
会わなければ寂しいから?
でも無理して会ってもらうほうが寂しい。
会わなければ忘れられちゃいそうだから?
でも会いたくないのは、忘れられてるよりひどい。
いいじゃない、仕事している間忘れてたって。
ふと手を休めた瞬間に、思い出すのが、
他の人じゃなくて自分ならば。
そのとき会いたいのが、私なら。
彼を想うってなんでしょうね。
彼の本当を知るってどういうことでしょうね?
私は、彼を正しく知ることが大事だと思うんです。
自分にとって都合のいい彼だけでなく、
自分のことを忘れている彼とか、
自分のある部分にムッとしているかもしれない彼とか。
自分に会いたくない、と思ってる瞬間の彼でさえ。
どんな彼も、彼本人です。
そのどれもが、彼なんです。
やさしくしてくれて、気を使ってくれる彼、それだけが、好きな彼ですか?
忙しくて自暴自棄になり、引きこもってる彼も、
好きにはなれないですか?
いっぱいいっぱい彼のことばかり考えて、
毎日苦しいという人にこそ考えて欲しい。
彼の本当の姿のこと。
彼が今考えているだろうこと。
彼の置かれている状況を。
想像してみて欲しいのです。
自分とだけではない、別の糸につながれた、
恋愛とは縁もゆかりもないような
彼という、一個の社会的人格の彼を、です。
本当に彼を想うなら
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