無駄話 / 過去の男

私を救って振ったある男の話

こないだ過去を思い返していたら、とある男友達のことを思い出した。
私はわりかし自分の恋愛話をあっちこっちで披露する癖があって、(だから恋愛ブログなんかやってるんだけど)その中でもしょっちゅう出てくる、
「元カノを忘れられず散々振り回した挙句別れた男」(超地雷!)とか、
「細く長く付き合ってたけど最後は長期間二股かけてた男」(私も引っ張りすぎ)とか、「夢のために君とは結婚できないとか言って逃げた男」とかは、思い出す回数も多いんだけど、その中でも、ほとんど思い出さない、
ある一時期好きだった男のことを思い出した。

思い出さない=たいして好きじゃなかった、ってわけじゃなくて、
その数年の間は、ほんとにほんとに好きだった。すごい片思いしてた。
全然かっこいい男じゃないのに、なぜかモテる男で、たぶんライバルもいっぱいいて、ほぼ勝ち目はなかったけど、
その時は、彼がいるから世界が輝いて見えるくらい、好きだった。
最後は、結構ストレートに迫って、結局振られた。

で、その男を何で思い出したかっていうと、彼は私を救ってくれた人だから。

私を振った男は星の数ほどいる。
私を追いかけてくれた男は・・・・まぁ片手で足りるくらいだけど、いる。
でも、私を救ってくれた男は、彼くらいしかいないのじゃないか。
あと夫か。(笑

彼は、まったくモテない、イケてない時代の私と知り合って、
私自身が自分を、「モテない、イケてない」って自虐ギャグで笑ってたのに、
ふわっと笑い飛ばして、「いや、かわいいよ」って言ってくれた人だ。

彼流の冗談だったのかもしれないけど、彼が、何度も何度もみんなの前で、
「この人はかわいい」ってハッキリ言ってくれたらから、
私は、生れてはじめて、自分にもかわいいところがあるんじゃないかって思えた。

私はすごく自分に自信がなくて、いつも、自分なんかちっともかわいくないって思ってた。自分が片思いしている男に対して、「私なんかに好かれてもちっともうれしくないだろうな。私がもっと美人でかわいくて、誰もが好きになってくれるような子だったら、彼を幸せにしてあげられたのに・・」なんてぐじぐじ思ってた。

自分で自分をちっともかわいくないと思ってる女が、かわいいわけはない。

彼は一体何を見て、私をかわいいと言ってくれたんだろう。
もしかしたら、小さい子供がかわいいとか、猫や犬がかわいいとか、
爬虫類や怪獣がかわいいっていう乗りだったのかもしれない。

でも、実際、彼が「かわいい」と連呼するうちに、私は、彼の前ですごく素直になれたし、自分が本当にかわいくて、魅力的な女の子であるような気がしてきたのだ。
だから、彼本人にはあっさり振られちゃったけど、そのあとも、
「かわいい(ところもある?)自分」を受け入れることができた。
それまでは、恋バナすら分不相応だと恥ずかしくてしなかった私が、
「意外と恋多き女です」っていうキャラに変化して、徐々に受け入れられていくことになる。
まったくモテなかった20代が終わって、30代になって、
自分でもビックリするくらい、恋に積極的になった頃だ。

ちなみに、

彼には振られたけど、まったく彼を恨む気持ちはなかった。
むしろ、彼は、下心もない女相手に、そこまで「かわいい」って言ってくれたんだ、イタリア人か!!と心底感動した。
彼は、なんていうか、私の天使みたいな人だった。

人生を変えるために必要なのは、白馬に乗った王子様だけではない。
100人、1000人の賞賛でもない。

たった一人、自分が信頼する人が、
自分を、「かわいい」「魅力的だ」と認めてくれるだけで、
人生はサーッと雲が晴れたように明るくなる。

今も、彼が私にくれた言葉の数々が、キラキラする砂金のように、
心の中に残って輝いている。
きっと彼自身も忘れてしまってると思うけど。

もしもあの時、彼に出会ってなかったら、
私は今も、自分は可愛くなくて魅力のない女だって、自分を卑下していたかもしれない。そしたら、恋愛なんか怖くてできなかったかもしれない。

彼は、私のことを振ったけど、(馬鹿みたいに丁重に、私を傷つけることなく拒絶した)でも今でも、私の中では、たいせつな好きだった男の一人なのだ。

そういう出会いがあったこと、いまはしみじみ感謝しているし、
私も、願わくば、誰かの人生の中で、ポッと灯りがともるような存在になれたら
なんてすばらしいんだろう、と思う。
まあ、到底無理な話だけど(笑




投稿者

tomomikojp@yahoo.co.jp
恋愛奮闘ブログ「恋はいばら道」の恋愛部長です。

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